Kirin Holdings Company, Limited (TYO:2503)
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May 12, 2026, 3:30 PM JST
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Earnings Call: Q2 2022
Aug 8, 2022
皆さん、おはようございます。キリンホールディングスの磯崎です。日頃はキリングループ製品へのご愛顧、並びに企業活動へのご理解とご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。今年2月に新たな中期経営計画を発表いたしましたが、この半年間においても社会的にインパクトのある出来事が起きております。不確実性の高い時代に突入していることをますます実感しております。前中計では、社会システムを大きく揺るがす環境変化を経験いたしました。世界各地で起きた異常気象、ミャンマー政変等の地政学リスク、そして世界的に感染拡大したコロナウイルスなどが主なものとして挙げられます。中でも、コロナウイルスの流行は消費者の行動を大きく変化させています。行動規制が緩和されて人流は戻りつつあるものの、日本では感染者数は再び増加傾向にあり、ウィズコロナからニューノーマルへの移行もまだまだ先が見えない状況にあります。そして、今年に入ってからは、ロシアのウクライナ侵攻による地政学リスクの影響を大きく受けています。原材料や燃料価格の高騰、さらには急激な円安など、ビジネス環境は想定以上に厳しい状況となっております。そのような中でも、キリングループは環境変化に対応し、しなやかに経営課題を解決することで着実に結果を積み重ねております。原材料や燃料などのコスト上昇に対しては、価格改定やコスト削減等を実施し、具体的に収益改善への取り組みを進めております。また、コロナウイルスや洪水などの影響を受けて想定通りに進捗しない事業もありますが、好調に推移している事業でカバーし、目標を達成できるよう、ポートフォリオ全体のマネジメントを推進しております。結果として、2022年度の連結事業利益の目標を¥1,720億円に上方修正いたします。期初計画では、撤退を決めていたMyanmar Brewery Limitedの事業利益をゼロと見込んでおりましたが、上半期の実績約¥50億円の利益を除いたといたしましても、期初計画を上回る計画としております。事業ポートフォリオの変革についても着実に手を打っております。これは、最適な事業ポートフォリオ実現のために取締役会で毎年議論を行っている成果だと考えております。6月末までに決着をつけるとお伝えしておいたミャンマーからの撤退は、合弁パートナーとの交渉の末、期限までに株式譲渡の合意に至ることができました。華潤麒麟飲料の株式譲渡についても、当局の承認を経て、8月5日に完了いたしました。今後は食領域のさらなる成長とヘルスサイエンス領域の拡大に資源を配分し、新たな成長軌道へシフトしてまいります。なお、株式譲渡で得るキャッシュについては、事業投資への配分だけでなく、株主還元にも配分いたします。発行済みの¥500億円の自己株式取得も現在計画通り進めております。2022年度の中期経営計画は、2027年までの長期経営構想の第2ステージです。新たな成長軌道へシフトしていくためには、食領域、ヘルスサイエンス領域、医療域の3分野で成長戦略を推進していく必要があります。まず、食領域で取り組むことは主力ブランドの育成です。一番搾りや氷結、午後の紅茶など、キャッシュを生み出す主力ブランドを盤石にするとともに、さらなる拡大に向けてこれらのブランドを生かした機能系商品の強化を進めております。その上で、原材料価格の高騰に対する価格改定とプレミアム戦略で収益構造の改革を実現させます。キリンビールは、クラフトビールやホームタップなど、利益成長を牽引する高付加価値商品やサービスの確立が現在の課題となります。ライオンについては、プレミアム戦略で利益率を回復させることに加え、北米エリアでのクラフトビール、New Belgium BrewingとBell's BreweryのPMIを推進することで、より強固なプラットフォームを構築中です。キリンビバレッジについては、プラズマ乳酸菌を代表とするヘルスサイエンス関連商品の拡大を実現し、より単価の高い商品構成を目指していきます。結果として、食領域全体でミックスを改善させ、利益成長につながる事業構造を築けるよう取り組んでまいります。続いてヘルスサイエンス領域です。まず、プラズマ乳酸菌の成長加速です。免疫ケアといえばキリンのイメージを獲得できるよう、機能認知の拡大と研究開発によるエビデンスの強化に継続して取り組んでいきます。協和発酵バイオについては、シチコリンやヒトミルクオリゴ糖といった次世代の戦略素材の生産基盤を確立します。並行して戦略素材の導入を積極的に推進し、グローバルにおけるBTOBの販売を強化していきます。医療域については、グローバルスペシャリティファーマとしてクリースビータを中心とするグローバル戦略品の価値の最大化を目指します。そして、次世代戦略品の開発を進め、パイプラインの充実に取り組みます。さらに、中長期的な成長に向け、グローバル販売体制を築いてまいります。特に北米におけるクリースビータの販売体制は、2023年より自社販売体制に切り替えるべく、しっかりと準備していきます。現時点で見込める2023年度のダウンサイド要因は、原材料、燃料費、コストの増加、為替変動などが挙げられます。リスクがあるのは事実ではありますが、中計の戦略に沿って経営課題を解決し、結果を積み重ねていくことで、グループとして新たな成長軌道を描けるものと考えております。具体的には、来期の事業利益はコロナ前の2019年度を超える水準が見えてきております。このペースで事業利益成長を実現できれば、中計財務KPIであるROIC 10%以上や営業EPSにおけるCAGR 11%以上についても達成できるものと考えております。よって、中計財務目標は変更せず、達成に向けて着々と進めてまいります。最後に、ESGの観点からお話しいたします。世界のCSV先進企業を目指してESGの課題に取り組んでおりますが、この度、気候変動への取り組みとして大きな進捗がございました。科学的手法を重視するSBTイニシアチブにより、食品会社としては世界で初めてSBTネットゼロの認定を取得いたしました。今までも2030年までの中期目標は認定をいただいておりましたが、今回はキリングループ環境ビジョン2050で掲げる2050年までにバリューチェーン全体のグリーンハウスガス排出量をネットゼロにする長期目標が認定されました。この科学的根拠に基づいたネットゼロへのアプローチは、人々の多様性や自然環境を尊重するキリンの醸造哲学である共栄の精神に基づいた技術力の賜物でもあります。また、TNFDが推奨するフレームワークに基づいた自然関連の財務情報開示を世界で初めて行いました。これらの評価は世界のCSV先進企業としての証左であり、環境への取り組みについても有言実行で進めてまいります。加えて、この度、プラズマ乳酸菌による新型コロナウイルス増殖発症抑制の研究が、国が進める革新的医薬品等の研究開発事業として採択されました。これまで食品用途として研究してきたプラズマ乳酸菌ですが、国立感染症研究所との共同研究において、同じメカニズムを応用発展させることにより、医薬品として用いることの可能性を見極めるプロジェクトです。研究成果が出るのはまだ先ではありますが、研究が実を結べば、プラズマ乳酸菌がヘルスサイエンス領域から医療域へとその可能性を広げることになります。これは、感染症から世界中の人々を守り、健康という大きな社会課題に貢献する有効な手段になりうると考えており、精力的に研究を進めてまいります。今後も現状に満足せずに社会課題の解決に邁進してまいります。投資家の皆様との対話を積み重ね、課題を一つずつ解決することで、KV2027を達成し、世界のCSV先進企業を目指します。今後のキリングループの成長にご期待ください。
第2四半期決算の概要についてご説明申し上げます。それでは早速、決算説明資料の11ページをご覧ください。
売上収益は対前年プラス6.1%の530億円の増収、事業利益は対前年プラス0.2%の2億円の増益となり、不確実な要素の多い環境の中でも変化に対応し、増収増益を達成することができました。税引き前四半期利益については、ミャンマー事業の減損損失戻し利益などを認識し、対前年68.6%増の387億円の増益となりました。親会社の所有者に帰属する四半期利益については、税引き前利益が増額したことに加え、減損損失戻し利益など税務上の課税所得に該当しない利益の影響により法人税率が減少し、対前年133.1%増の316億円の増益となりました。12ページをご覧ください。事業会社別の事業利益実績です。キリンビールの事業利益は対前年53億円の減益となりました。第1四半期におけるコロナウイルスによる行動規制は3月末に解除され、第2四半期に入って業務用市場はコロナ前の70%程度まで回復が見られました。一方で、家庭用は業務用の増加を受けて軟調に推移しました。また、原材料等の高騰も減益の要因の一つとなっております。キリンビバレッジの事業利益は対前年12億円の減益となりました。水などの大型PETの減少によりトータルの販売数量は減少したものの、主要ブランドである午後の紅茶、生茶は好調に推移しました。プラズマ乳酸菌飲料は3月末より販売開始したiMUSE朝の免疫ケアが堅調に推移したこともあり、対前年38%の増加と大きく数字を伸ばすことができました。以上のとおり、主力商品は好調でありますが、利益については原材料の高騰が大きく影響しております。ライオンの事業利益は対前年17億円の減益となりました。豪州は第1四半期にコロナウイルスや洪水などの影響を受けましたが、第2四半期は反転し、業務用は対前年6%増、家庭用も4%増と好調に推移しました。主力ブランドであるXXXXや昨年買収したFermentumなどのクラフトカテゴリーが順調に推移しました。北米クラフトについてもVoodoo Rangerが好調に推移し、Bell'sの統合も順調に進捗しております。続いて協和キリンですが、事業利益は対前年75億円の増益となりました。グローバル戦略品を中心とした海外販売が好調に推移したことに加え、為替影響も増益に寄与しております。コーク・ノースイーツの事業利益は対前年40億円の増加となりました。価格改定を行った後も販売数量を増加させ、大幅な増益を実現することができました。協和発酵バイオについては、上海ロックダウンの影響を大きく受け、販売や工場操業に制限が生じました。加えて、原材料の高騰などの影響を受け、対前年13億円の減益となりました。13ページをご覧ください。ロシアのウクライナ侵攻による原材料価格の高騰、急激な円安、各国におけるインフレなど、この上半期だけでも事業環境が大きく変わっております。そのため、原材料等のコスト増とそれを補う収益改善策について、初計画第1四半期決算時にご説明しておりますが、今回、第2四半期時点における年間見通しについて改めて整理しました。今回の業績予想に織り込んだコスト増については、第2四半期の見通しで追加約80億円を見込んでおり、年間の連結影響は対前年で400億円から430億円のコスト増を想定しています。一方で、収益改善策については、国内外の価格改定、SCMコストや販売費の削減などにより、第2四半期の追加施策を約200億円とし、年間では450億円から480億円の効果を見込んでおります。14ページをご覧ください。連結の通期業績予想についてですが、初計画に対し連結事業利益を60億円引き上げ、通期計画を1,660億円から1,720億円に修正いたします。主な修正項目は、先ほどご説明したコスト増と収益改善策のアップデートに加え、事業利益をゼロと見込んでいたMyanmar Brewery Limitedの上半期実績、そして為替影響となります。親会社所有の当期利益についても、ポートフォリオの改革を着実に実行したことにより、195億円引き上げ、1,145億円から1,340億円に修正します。なお、財務KPIについては、上方修正によりROICを10.2%に修正します。15ページは、各社の事業会社別の業績予想修正の増減になりますが、説明は割愛します。主要会社の下期の取り組みについてご説明しますので、16ページをご覧ください。まずキリンビールですが、下期は価格改定を着実に実施することに加え、継続してブランド育成に取り組みます。主力ブランドの強化としては、7月製造品より一番搾り 糖質ゼロをリニューアルすることでテコ入れし、下期の一番搾りブランドのカーについては対前年プラス6%を目指します。プレミアム商品については、クラフトの白ビールであるシルクエール〈白〉を発売することで、Spring Valley Breweryブランドは年間で対前年プラス50%を計画しております。17ページをご覧ください。ライオンについては、業務用の回復を契機にチャネルミックスの改善に取り組むとともに、昨年買収したFermentumのPMIを着実に進め、プレミアムシフトによるミックス改善を推進していきます。北米クラフト事業についても、買収したBell'sとの統合を着実に実行してまいります。なお、この7月より新たなCEOとしてSam Fischerが着任しました。直前はDiageoで中国アジアパシフィックのトップを務めており、効果が見え始めているマーケティング改革とSCM改善にしっかりと取り組んでまいります。18ページをご覧ください。キリンビバレッジについては、10月から価格改定に向けた取り組みを進めるとともに、主力ブランドの強化を図ります。特に8月末からほうじ煎茶のリニューアルに伴い、生茶ブランドを強化することに加え、プラズマ乳酸菌飲料の店頭プレゼンス向上を図り、さらなる成長を目指します。結果として小型PET構成比が増加し、収益改善につなげてまいります。19ページをご覧ください。ヘルスサイエンス領域については、引き続きプラズマ乳酸菌関連商品の売上収益成長を目指します。免疫ケアの切り口に加え、お客様の身近な健康課題を組み合わせることで顧客接点を増やしていきます。協和発酵バイオについては、上海ロックダウンでストップしていた工場の操業並びに販売は現時点では再開が完了しております。また、原材料等のコスト増の影響をカバーすべく、価格改定も実施してまいります。医療域の協和キリンについては、引き続きグローバル戦略品の成長を目指し、販売を強化してまいります。既に協和キリンの決算発表で開示しておりますが、為替の影響も踏まえて事業利益予想を上方修正しております。私からの説明は以上となります。