Sony Group Corporation (TYO:6758)
3,130.00
+3.00 (0.10%)
May 7, 2026, 3:30 PM JST
← View all transcripts
Fireside Chat
Jun 13, 2025
皆様、こんにちは。ソニー株式会社、社長CEOの吉田憲一郎でございます。本日、私からはエンターテイメント・テクノロジー&サービス分野につきまして、こちらの内容を説明させていただきます。 私たちET&Sは、ソニーグループのパーパスのもと、クリエイティブ・エンターテイメント・ビジョンの実現に向け、ソニーならではのテクノロジーで新たなエンターテイメントを世界中の多くのクリエイターと創造し続けています。そして、2024年度も多くの感動を創出してまいりました。 シネマトグラフィーでは、これまでにない撮像技術で新たな映像表現を可能にし、世界的な撮影賞を受賞している多くのシネマトグラファーの映画制作にご活用いただきました。フォトグラフィーでは、圧倒的な撮像スピードで捉えることのできなかった瞬間を可能にし、国際的なイベントを通しまして、多くのフォトグラファーにより臨場感のある感動体験が世界に発信されています。そして、特徴的な撮影技術にロボティクス、リモートといったソフトウェアソリューションを付加することで、新たな撮像を可能にし、世界中で活用が広がっています。 サウンドでは、ソニーピクチャーズと連携して開発しましたスタジオの音場を高精度で再現する360バーチャルミキシング・エンバイロメントは、ソニーピクチャーズをはじめ、多くのトップスタジオへ導入され始めています。 スポーツでは、3部門でスポーツエミー賞を受賞しましたビヨンド・スポーツのリアルタイム・ビジュアライゼーションの技術により、オルタナティブ・ブロードキャストという新たなエンターテイメントを創出し、ファン層拡大への貢献など、今後さらなる飛躍が期待されています。 サステナビリティの分野では、自社開発した素材をパッケージに使用することで、脱プラスチックを推進しています。そして、誰もが感動を分かち合える社会を目指して、製品やサービスのアクセシビリティを高めています。これらは24年度の成果の一部でありますが、ET&Sはこれからも世界の人々に感動をお届けし続けてまいります。 ここから、25年度以降の経営環境の想定になります。ポリティクスでは、地政学リスクの継続、環境や人権に関する政策転換により、今後も様々な影響を受けると考えています。エコノミーの観点では、関税政策や世界経済の不確実性への対応が、事業運営上の大きな要素になると考えています。ソーシャルにおいては、これらの政治・経済状況を受けて不安心理が常態化している中、SNSの影響力が増大し、消費行動の変化を生み出しています。テクノロジーの面では、コンテンツ制作が複雑化する中、生成AIの台頭によりクリエーションの裾野が拡大しています。また、様々な産業で人間の知識や思考、意思をくみ取るAIの実用化が進むと考えています。 このような環境を踏まえ、収益性維持と成長を両立する事業構造の確立という経営方針のもと、企業価値向上とキャッシュ創出を経営目標としてまいります。重点施策は大きく3つ。ボラティリティの低減、成長の加速、そしてサステナビリティの取り組み強化です。 経営目標の実現に向け、こちらが各事業を大きく3つのフェーズに分類したET&Sの事業ポートフォリオになります。黄色の領域、テレビおよびスマートフォン事業につきましては、構造変革を加速し、ボラティリティの低減を進め、リスクをコントロールしてまいります。緑で領域拡大と示しましたイメージング、サウンド事業は収益軸のコアとして、安定収益基盤を強化し、事業領域を拡大させ、さらなる成長を目指していきます。 両カテゴリーともに、既存の領域では技術面での圧倒的な競争優位を確立し、収益基盤の強化を目指し、拡大領域ではその技術をベースにクリエーション領域を広げ、新たな市場、そしてクリエイターの裾野を拡大してまいります。成長・創出を示す青の領域では、人材を含め投資を加速させ、事業モデルの進化と新たな事業創出を目指し、ET&S全体のポートフォリオシフトを加速させてまいります。 続きまして、各領域の詳細につきまして説明させていただきます。まず初めに、構造変革・転換についてご説明いたします。テレビおよびスマートフォン事業の収益水準の向上とボラティリティの低減に向け、オペレーションにつきましては、販売、製造、設計の構造変革を加速してまいります。販売面では、地域動向に即した体制の再編成を行い、製造面では事業規模に応じた拠点の最適化を進めます。設計、間接は組織をプラットフォーム化することにより、柔軟なリソースシフトを進めてまいります。そして、これらオペレーションに関する主要な構造変革は、2026年度までに完了することを目標としています。 事業の転換といたしまして、テレビ事業につきましては、シネマクリエイターの制作意図を再現することをテーマとした商品開発を進め、クリエーション領域のディスプレイとしても採用され始めています。スマートフォン事業については、クリエイターからのコンテンツ即時納品の要求に応えるため、データ通信端末としてイメージングとの機器連携による事業転換を加速しています。すでに報道分野におけるリアルタイム性の向上に貢献しており、多くのフォトグラファーに国際的なイベントでご活用いただいています。このように、ディスプレイ、通信の技術はこれからも多様なクリエーションの進化に向け、開発を進めてまいります。 次に、領域拡大と示しましたイメージング事業、サウンド事業についてご説明いたします。イメージング事業は、これからもI&SSとのソニー独自のセンサー開発により、撮像技術を進化させ、イメージング産業の多様性を広げ、新たなクリエイターを創造してまいります。 フォトグラフィーの領域では、スピード、解像、感度、そしてリアルタイムテクノロジーに重きを置くことで、これまで表現することのできなかったクリエーションの幅を広げてまいります。シネマトグラフィーの領域では、クリエイターの表現力を拡張させる新たなテクノロジーの開発とともに、そのテクノロジーを次世代クリエイターへも展開し、裾野を広げています。ビデオグラフィー領域では、ソニーならではのフルフレームイメージセンサーにより、被写界深度をコントロールしたエモーショナルな映像表現での制作が拡大しています。そして、様々なコミュニティのニーズに応える革新的なレンズ群により、クリエイターの表現力を拡張し、リカーリングビジネスをより強固なものにしていきます。 さらに、これらの強いハードウェアにソフトウェアの価値を加えることで、事業モデルを進化させ、3D、ライブストリーミング、リモートなどの幅広いイメージング領域で収益性の高いソリューション事業を拡大し、イメージング産業界の多様性、そして新たなクリエイターの創造を牽引してまいります。 サウンド事業は、エクスペリエンス領域で引き続き安定的に推移するヘッドホン、スピーカーなどのハードウェア市場において、グラミー賞を受賞したクリエイターとの協業や、ノイズキャンセリングなどのサウンド技術進化によって商品力を強化し、サウンドの体験価値をより一層向上させていきます。 クリエーションの領域では、幅広いクリエイター向けにマイクやヘッドホンといったプロフェッショナル向けハードウェアの展開を拡大するとともに、業界で高い評価を得ている360バーチャルミキシング・エンバイロメントなどのソリューションを映画、ゲーム、アニメといった多様なサウンドクリエーション業界へと展開し、事業領域を拡大してまいります。そして、ニューヨーク大学とのパートナーシップや、1億人以上のユーザーが利用する音楽制作プラットフォーム、バンドラボテクノロジーズとの立体音響コンテンツ制作のパートナーシップを締結するなど、最先端テクノロジーを用いた音楽制作の環境を次世代のクリエイターに届け、サウンドクリエーションの裾野を拡大していきたいと考えています。 次に、成長・創出と示しましたスポーツ事業、ニューコンテンツクリエーション事業についてご説明します。スポーツ事業は、判定支援からデータエンハンスメントのテクノロジーを活用した新たなエンターテイメントの創造へと事業を進化させてまいります。 判定支援の領域では、ホークアイが世界主要サッカーリーグのVARにおいて引き続きシェア70%を維持し、サッカー以外にも多様な競技、多くの国と地域で200を超えるパートナーに使用されています。アメリカンフットボールでは、新たにNFLにてバーチャルメジャーメントが採用され、今シーズンから導入されることが決定しました。そして今後は、取得したデータの商用化による新たなビジネスモデル創出の取り組みを加速してまいります。 ビヨンド・スポーツは、取得したデータをリアルタイムでアニメーション化するオルタナティブ・ブロードキャストで、スポーツの新しい視聴体験を創造しました。アメリカンフットボール、バスケットボール、ホッケーに続き、今後も様々な競技への展開を計画しています。さらに、制作にとどまることなく、放映や配信へもバリューチェーンを拡大することを目指し、社内外のパートナーとの検討を進めています。 また、昨年買収したキナトラックスは、ホークアイとのシナジーによるデータ精度向上で、バイオメカニクス領域でのビジネスをさらに拡大していきます。選手、チームのパフォーマンス向上や怪我防止といった課題に対し、高品質なソリューションを提供することで、エンゲージメントをさらに高めることができると考えています。これからも、様々な競技のリーグ、チームと協業し、テクノロジーの力でスポーツをエンターテイメントに進化させることで、事業成長を加速していきます。 ニューコンテンツクリエーション事業は、コンテンツの空間化を事業機会と捉え、空間キャプチャリングやクリエイティブツールのテクノロジーを活用し、新たなクリエーション産業の創出を目指します。まず、強みを持つキャプチャリングのテクノロジーを進化させ、コンテンツ制作に必要な現実空間を正確に捉えるシーンやオブジェクトのキャプチャリングを実現します。次に、そのキャプチャリングしたデータをリアルタイムで制作につなげることができるクリエイティブツールなど、クリエイターの創造性を広げる空間コンテンツ制作ソリューションの提供を拡大します。これにより、バーチャル空間での映像制作や、幅広いクリエイターのニーズを満たす、高品位で魅力ある3DCGコンテンツの効率的な制作を実現します。そして、没入体験で浮世絵の世界を楽しむといった、空間を活用したコンテンツがもたらす新しい体験価値や、空間を拡張させる技術など、新たなエンターテイメントの創出を目指し、テクノロジーの開発を進めてまいります。 サステナビリティでは、環境、アクセシビリティ、ダイバーシティの3領域に注力しています。環境については、2050年環境負荷ゼロに向け、使用済みテレビから回収したプラスチックを新商品に再利用する水平リサイクルの実用化を進めてまいります。また、自社オペレーションにおける再生可能エネルギーの電力使用率100%を2023年度に達成し、それを継続しています。 アクセシビリティでは、誰もが感動を分かち合える未来に向けて、クリエイターとのインクルーシブデザインに注力しています。障害があるクリエイターから学ぶことで、アクセシビリティを必要とする当事者ニーズを商品開発に生かしてまいります。そして、ダイバーシティにつきましては、社会課題となっている国内のジェンダーギャップ解消の取り組みを加速するとともに、多様な社員が活躍できるための環境づくりを推進してまいります。 次に、経営数値についてご説明いたします。売上高の構成比につきましては、収益性の高い事業である領域拡大事業、成長・創出事業が占める割合を24年度から27年度までに10ポイント以上増やし、事業ポートフォリオのシフトを加速してまいります。27年度の経営数値といたしましては、営業利益率10%、フリーキャッシュフロー¥1,600億円、営業利益額に占めるクリエーション比率80%を目指してまいります。 ET&Sは、クリエーション・テクノロジーを強みに、クリエイターとともに新たなエンターテイメントを創造し、感動にあふれる未来を共創してまいります。最後に、本日ご説明差し上げました取り組みや、ET&Sとして目指している方向性をビデオにまとめましたので、ご覧ください。
All the movies I've done with Joseph Krasinski have been all Sony. I feel like giving an audience experience with new technology that we can do things that we haven't before. In Formula 1, the idea is to try to get the cars with the actors going over 140 miles an hour. We've actually created a camera that is only possible. I like getting the moments that people maybe somehow miss. That's where Sony cameras really shine. They're incredibly fast. The autofocus is unbelievable. You know, now I think we're only limited by our imaginations. Having great technological equipment, Sony delivering to me allows me to concentrate on taking pictures, and that's what's all important to me. That's helped my photography here. When I was a kid, man, the company that made music mobile was Sony. I mean, it was a tape, it was a Walkman, but now it's crazy that a couple of decades later, I get to be involved in this mobile mixing experience that you can take it literally anywhere. 360 VME makes it possible for filmmakers to be involved in the sound process no matter where they are in the world. Creators get to be creative with this technology because it allows us to remove the obstacle of location. That was never possible before. This is truly a differentiated, completely differentiated type of production, alternative broadcast. The fundamental technology by Beyond Sports allows us to recreate the game in nearly real time. We're creating the opportunity for new viewers to experience sporting events in a completely different way. Together, guided by the filmmakers and the creative decisions in the room, like the directors, DPs, and production designers, we cohesively create worlds and take our audience to places where no one has been. ソニーグループIR担当の早川です。ソニー株式会社社長CEOの牧さん、副社長CFO兼CIOの大島さんに、資本市場の関心の高いトピックについてお伺いしていきます。それでは、牧さん、大島さん、よろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします。まず最初に、2024年度の振り返りを踏まえて、牧さんが重要と考える経営課題についてお聞かせください。 はい、ご質問ありがとうございます。プレゼンテーションでも説明いたしましたが、私たちET&Sは第五次中期計画で安定的に営業利益率10%を実現する事業構造の構築を経営目標とし、その初年度となる24年度は主に3つの点を重点的に取り組んできました。まず、構造変革は計画よりも前倒しで実行し、ET&Sカテゴリーの人員数はワールドワイドで21年度から24年度で約3割減少しています。イメージングやサウンドの事業では、収益のコアとして高い収益率を維持しながら、クリエーション領域でソリューション事業を拡大し、クリエイターの多様性を広げることができています。成長事業につきましては、バイオメカニクス領域のリーディングポジションにあるキナトラク社を買収し、スポーツ事業のバリューチェーンの拡大を進めました。また、空間コンテンツクリエーションのテクノロジーの社会実装を加速するために、ニューコンテンツクリエーション事業部を発足し、今後事業化を加速させてまいります。 中期施策は着実に進んでいるということですね。 はい。成長領域の事業について、その成長のスピードはまだ十分とは思っていませんので、25年度は成長の加速に注力して、ケーパビリティを広げるための投資や他社との連携を積極的に行っていきたいと考えています。 成長の加速が課題とのことですが、では、スポーツ事業の成長加速に向けて、どのような施策を考えているか教えてください。 まず、スポーツ事業のコアとしてホークアイの判定支援は、すでに25以上の競技、100を超える国と地域で使用されていますので、今後も各リーグとのエンゲージメントを強化し、ユニークなテクノロジーによるサービスとともに、より一層成長を目指してまいります。そして、さらなる事業成長に向け、ここで取得したデータを多様な分野に活用していきます。本日ご紹介しましたビヨンド・スポーツ社によるオルタナティブ・ブロードキャストの展開、キナトラク社によるバイオメカニクス領域への展開はその一例になります。今後もデータ活用の多様性を広げ、バリューチェーンを拡大することで成長を加速していきたいと考えています。 今お話しされたように、スポーツ事業でもこれまでM&Aを実行されています。今後の成長に向けて、さらなる投資の具体的なお考えはありますか。また、それらの成長投資が売上利益の飛躍となって現れるのはいつ頃とお考えでしょうか。 まず、成長事業への内部リソースのシフトは現在も継続的に行っていますが、M&Aもさらなる成長に向けた手段の一つと考えています。本日ご説明しましたタイムライン以降も、スポーツ事業をさらに飛躍させることを目指していますので、成長に向けた積極的な投資はスポーツエンターテインメントの進化、そしてファンエンゲージメントの拡大を意識し、これからも継続的に検討していきます。 大島さんにお伺いします。牧さんより、成長のために必要であればM&Aもというようなお話がありました。一方で、経営目標としてキャッシュの創出を掲げています。キャッシュフローのコントロールと投資のバランスはどうお考えになられていますでしょうか。 はい、ご質問の点はまさにET&Sの経営におけるキーポイントになります。私たちはこれまで、収益性の強化や徹底した在庫削減でキャッシュフローを改善し、将来の成長投資にも耐える財務基盤の構築に取り組んできました。27年度のフリーキャッシュフローも¥1,600億円以上と引き続き高い水準での目標を設定しています。プレゼンテーションにもありましたが、収益性の高い事業をさらに拡大すること、主要な構造改革を26年度までに終えることで、27年度は一段高い営業利益を創出し、さらなる営業キャッシュフローの増加を見込んでいます。一方で、成長事業の拡大につながる投資は今後増加させていく計画です。技術アセットや人材獲得によるケーパビリティの拡充、事業モデルの進化やバリューチェーンの拡大を加速するための投資は、規律を持ちながらも積極的に行っていきます。 規律という意味では、ET&SはROICも高い水準を実現してきています。2022年度以降、毎年度5セグメントの中で最も高いROICを出し続けています。2027年度に向けてROICの目標があれば教えてください。 はい、財務規律という観点ではROICを指標とし、収益性を伴う拡大が実現できているか、しっかり見ていきたいと考えています。27年度は成長投資を行ってもなお20%以上の水準を目指します。収益と投下資本のバランスを的確に見極めながら意思決定を行っていきます。 牧さんにお伺いします。成長創出領域のもう一つの事業であるニューコンテンツクリエーション事業についても、目指す方向性についてお考えをお聞かせください。 はい、ニューコンテンツクリエーション事業部は新たなコンテンツクリエーションを目指し、強みであるキャプチャリング技術をさらに進化させ、これまでなかった空間という新たな表現をキャプチャリングからクリエーション、そして体験までのエンドツーエンドの制作フローを世界のクリエイターと創出していきたいと考えています。 ニューコンテンツクリエーションの領域でもクリエイターとの協創が鍵となるということですね。事業の成長のスピードについてはいかがでしょうか。 空間コンテンツクリエーションの領域においては、世界的に著名なクリエイターと協創の議論を進めていますし、エンターテインメントのみならず自動車業界を中心に多くの産業界からお声がけをいただいており、今後も協創を強化し、中期的な視野で成長を加速させていきたいと考えています。 領域拡大事業についても質問させてください。イメージング事業について、これ以上の拡大は難しいのではというような懸念も聞かれます。牧さんはどのようにお考えですか。 そのようなご質問をいただくことは多いのですが、イメージングテクノロジーの多様性はまだまだ進化を続け、拡大すると考えています。単体のカメラやレンズといった収益のコアとなっている領域は、これからも安定的な成長を見込んでいますし、SNSの広がりとともに女性や若年層といった新たな顧客層が牽引役となり、Vlogカメラ市場が創造され、継続的に拡大しています。そして、さらなる成長を牽引していますのがライブストリーミング、リモート、3Dフォトグラメトリーといった新たなイメージングの領域です。イメージングソリューションと呼んでいますこの領域は、世界中で広がりを見せていまして、市場規模はCAGR+20%というレベルで成長すると見通しています。 ソニーがソリューション市場の成長をリードできる理由を改めてお聞かせいただけますか。また、この領域は収益性が高いというご説明でしたが、今後市場が拡大していってもその収益性は維持できるのでしょうか。 はい、この市場をリードできる理由は、解像度、スピード、感度の各分野でI&Sとともに開発しましたソニーならではのテクノロジーを搭載し、この機種だからこそ撮像できるといった特徴的なハードウェアを多く持っていることです。このハードウェアにソフトウェアで付加価値を乗せた新たな撮像技術で、多様なクリエイターを創出しています。そして、高い収益性を維持できる理由もハードウェアがベースであり、そこにソフトウェアを付加したリカーリングモデルですので、今後も高い収益性が期待できる事業と考えています。 領域拡大事業のもう一つの柱であるサウンド事業についても、クリエーション領域の成長性について教えてください。 これまでもサウンド事業はクリエイターとともにマイク、ヘッドホンといったプロオーディオ商品を協創してきており、現在も世界中のスタジオで多くのアーティストにご活用いただいています。現在、世界中のサウンドクリエイターにご好評いただいていますソフトウェアベースのサウンドクリエーションツール、360バーチャルミキシングエンバイロメントは、従来の楽曲制作にとどまらず、映画やゲーム、そしてアニメといった多様なサウンドクリエーションの分野でサブスクリプションモデルとして展開が加速しています。 では、一方でサウンドのエクスペリエンス領域ではどのように競争力を維持し、向上していかれるのでしょうか。 上流のクリエーション側でクリエイターの思いを理解しているからこそ、下流のエクスペリエンス側でその体験価値をより高めることができると考えています。これからもクリエイターの表現したいサウンドの体験価値をソニーならではのテクノロジーで進化させてまいります。 ここで大島さんに少し違う観点の質問をさせてください。足元の経済環境はボラティリティが高く、柔軟かつ機動的なオペレーションが求められると思います。オペレーション改革といっても、これ以上やる余地があるのかという懸念の声も聞かれます。オペレーション面でのこれまでと今後の取り組みについて教えてください。 はい、まさに不確実性が高い事業環境下では、オペレーションを常に進化させていくことが重要な経営課題です。販売、製造、設計、そして間接の各領域で構造改革を実行し、固定費の規模縮小やオペレーションの外部化などボラティリティの低減を進めてきたのは、これまでもご説明している通りです。また、喫緊の課題である地政学リスクへの対応策として、複数拠点での生産を可能とするマルチロケーション生産を推進してきました。各事業所の生産ラインの標準化及び自動化の展開、複数地域からの分散調達などを実現し、当初の計画よりも1年前倒しで対応を完了しています。 その上で、さらなる改革というのは難しいのではないですか。どのような取り組みをお考えでしょうか。 いえ、まだまだできることはあると思っています。現在、強力に推進しているのがグローバルワンインスタンス化への取り組みです。従来は各事業、各地域において個別最適での強化が進んでいたため、システムやオペレーションが点在していました。それに対し、事業横断の全社プロジェクトを立ち上げ、グローバルベースでのオペレーションの標準化、データやシステムの一元化を進めています。プロジェクトはほぼ7合目まで来ていますが、ここで一元化されたデータをもとに最新のDX、AI技術を活用することで、プロセスの自動化、無人化を推進し、真のデータドリブン型経営へと進化させます。この動きをもう一段の間接効率化や地域拠点と事業部の機能統合につなげることで、オペレーションのさらなる効率化を実現できると考えています。 ここで改めて、収益性維持と成長戦略を両立する事業構造の確立という経営目標に対し、経営数値の視点で進捗を教えていただけますか。大島さんからお願いします。 はい、ET&Sはこれまで収益軸、成長軸の2軸経営を推進してきました。24年度のET&S全体の営業利益¥1,909億円に対し、ネットワークサービス、ソフトウェアソリューション、スポーツなどの成長軸事業が占める割合を当初目標としていた4分の1にまで高めることができました。 進捗は順調ということですね。その中で今回、構造変革、転換、領域拡大、成長創出という新しい領域の区分でご説明された意図を教えてください。 はい、ET&Sの課題は事業環境が不透明さを増す中で、経営リスクへの適応力、耐性を高めることに加え、成長を加速することです。これらを実現していくために、これまでの成長軸、収益軸という考え方をブラッシュアップし、もう一段細かい粒度で意思決定を行っていく必要があると考えました。現在、収益のコアであり、強いハードウェアを生かしてさらなる拡大を目指す領域拡大事業、そして新しいエンターテインメントや事業の創造を目指す成長創出事業、この2つの事業領域の売上構成比を拡大させることで企業価値向上を実現していきます。今後、資本市場の皆様とのコミュニケーションにおいても、本日ご説明した3つの事業領域に分けて進捗や課題をお伝えすることで、経営の意思をご理解いただけるのではと考えています。 最後に牧さんにお伺いします。クリエイティブエンターテインメントビジョンの実現に向けたグループシナジーの取り組みについてお聞かせください。 はい、ET&Sはこれまでもイメージングの領域ではI&Sやソニーピクチャーズとの協創によって、アルファやシネマカメラベニスで新たな映像表現を生み出してまいりました。サウンドの領域ではソニーミュージックやソニーピクチャーズのサウンドエンジニアとの協創で、プロオーディオや360バーチャルミキシングエンバイロメントが生まれ、クリエーションを進化させてきました。これからもET&Sはグループシナジーを最大限活用しながら、クリエイティブエンターテインメントビジョンの実現に向け、テクノロジーの力で新たなエンターテインメントの創造を目指してまいります。 ここまで様々な質問について、牧さん、大島さんからご回答いただきました。牧さん、大島さん、ありがとうございました。 ありがとうございました。