Toho Holdings Co., Ltd. (TYO:8129)
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Earnings Call: Q4 2025

Apr 13, 2025

代表取締役社長の松岡でございます。本日はご多忙のところ、決算中期経営計画説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。早速ですが、決算のエグゼクティブサマリーからご説明いたします。2025年2月期の営業収入、営業利益は過去最高を記録しました。 映画営業事業が好調に推移したことに加え、東宝アニメーション作品が国内外で順調に拡大しました。2026年2月期は前期と比べ減益の見通しとなりますが、後ほどご説明いたします。また、中期経営計画2028のポイント、記載の通りですけれども、こちらも決算のご説明の後に詳細をお伝えさせていただきます。 続きまして、連結業績ハイライトについてご説明いたします。営業収入は¥3,131億円、営業利益は¥646億円。自社監修作品を含む当社配給作品がヒット。ゴジラマイナスワンの配信権収入が業績に寄与。東宝アニメーション作品が国内外で好調に推移したことなどから、前期と比べ増収増益となりました。 なお、当期純利益につきましては、前期に東京楽天地の普通株式を公開買い付けにより取得し、連結子会社化したことに伴う段階取得にかかる差益を計上したことや、今期に特別損失を計上したことなどから、前期と比べ減益となっております。セグメント別の業績一覧となります。 映画事業は営業収入2,092億円、前期と比べ164億円の増収、営業利益は508億円、前期と比べ60億円の増益となりました。演劇事業は営業収入228億円、前期と比べ27億円の増収、営業利益は41億円、前期と比べ10億円の増益となりました。 不動産事業は営業収入796億円、前期と比べ105億円の増収、営業利益は168億円、前期と比べ7億円の減益となりました。四半期別の営業収入の推移です。順調に右肩上がりに推移していることがご覧いただけるかと思います。2025年2月期第4四半期の営業収入は、前年同期比で若干の減収となりました。 東京楽天地が増収に寄与したものの、前年同期はゴジラマイナスワン劇場版ハイキューの大ヒットや、アニメ作品の海外配信権収入等の貢献が大きかったことが要因となります。 四半期別の営業利益の推移です。2025年2月期第4四半期の営業利益は、前年同期にあったゴジラマイナスワン、劇場版ハイキューのような利益貢献度の高い作品がなかったことや、帝劇ビルの今後の解体工事にかかる一時的な費用を計上したことなどにより減益となりました。セグメントごとの営業収入と営業利益の増減状況です。 映画営業と映像事業の伸びが大きく、増収増益となりました。次に、セグメント別の業績分析です。まず、映画事業です。映画営業事業においては、当社が配給した名探偵コナン百万ドルの五つ星、劇場版ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦、キングダム大将軍の帰還、ラストマイル、変な家などが大ヒット。 さらに、上期のゴジラマイナスワンの国内外における配信権収入も業績に貢献し、増収増益となりました。映画興行事業においては、当社配給作品の高稼働などに加え、はたらく細胞、インサイドヘッド2などの話題作を上映したものの、豊富なヒット作があった前期には及ばず、減収減益となりました。 映像事業においては、僕のヒーローアカデミア、呪術廻戦、ハイキューなどの東宝アニメーション作品が劇場公開、動画配信、商品化権、パッケージグッズ販売などで多面的に稼働し、増収増益となりました。東宝アニメーション作品のソース別の営業収入、国内外構成比です。 呪術廻戦、ハイキュー、僕のヒーローアカデミアなどのタイトルが好調に稼働し、前期と比べ営業収入は増収となりました。なお、国内外構成比においては、国内における商品物販が大きく伸びたため、国内の伸びが大きく見えますが、海外からの収入も着実に増えております。演劇事業です。 再開発のため、2月末をもって一時休館となった帝国劇場では、レ・ミゼラブル、コンサート、ザ・ベスト、ニューヒストリーカミングなどのクロージングラインナップを上演いたしました。前期と比べ公演回数が増加した結果、増収増益となりました。 コンサート「ザ・ベスト・ニュー・ヒストリー・カミング」においては、限定公演会におけるライブ配信および大千秋楽公演のライブビューイングも好評を得ました。不動産事業です。 不動産賃貸事業においては、東京楽天地の業績が通期寄与したことに加え、東宝日比谷プロムナードビルの数年稼働などが貢献し、増収となったものの、大規模修繕費や帝劇ビルの今後の解体工事にかかる一時的な費用の計上により減益となりました。道路事業や不動産保守管理事業は堅調に推移いたしました。 続きまして、2026年2月期業績の見通しをご説明いたします。2026年2月期の通期業績予想についてご説明いたします。今期は営業収入¥3,000億円、営業利益¥570億円となり、前期と比べ減益の予想となります。 その要因といたしましては、前期に貢献度が大きかったゴジラマイナスワンの国内外の配信権収入の剥落や帝国劇場の一時休館の影響などによるものです。しかしながら、これらの要因を除けば前期並みの業績となるかと思います。なお、期首の通期業績予想としては過去最高の見通しとなります。株主還元についてです。 2025年2月期の1株当たり配当金は、期首予想から15円増額し、年間85円といたしました。また、2026年2月期より、株主還元方針を年間85円の配当を下限に連結配当性向35%以上に変更いたしました。この方針に基づき、2026年2月期の1株当たり配当予想は年間85円といたします。 2026年2月期の業績見通しは以上となりますが、ここからはIPアニメ事業セグメントの新設についてご説明いたします。2026年2月期より、映画事業セグメントに含まれる映画営業事業、映像事業からIPおよびアニメビジネス関連を抽出し、IPアニメ事業を報告セグメントとして独立させました。 これにより、当社グループの成長戦略の中核となるアニメおよびIP関連ビジネスの実態や業績をより適切に把握できるようにいたします。新設したIPアニメ事業セグメントにおいて、子会社別に変更前と変更後を表した図となります。 映画営業事業に含まれていた東宝グローバル、東宝インターナショナルなどや、映像事業に含まれていた東宝アニメーション、サイエンスSARUなどはIPアニメ事業に移ります。さらに、作品の商流別計上先を表した図となります。 ゴジラとアニメ関係の営業収入はIPアニメ事業セグメントに計上されるものと、引き続き映画事業セグメントに計上されるものに分かれます。例えば、ゴジラ映画シリーズの国内の出資配分金や劇場配給などは引き続き映画営業に計上。海外の映像配信とライセンス物販などはIPアニメ事業に計上されます。 また、東宝アニメーション作品サイエンスSARU出資作品では、出資、配分金、映像配信、ライセンス、物販などはIPアニメ事業に計上されます。続きまして、中期経営計画をご説明いたします。前回、長期ビジョン2032、2032と中期2025を出した時は、まさにコロナ禍の真っただ中でした。 我々は特にエンターテインメント事業ということもあって、この先どうなるか全くわからない状況の中で、その先をなんとか見据えて、こういう方向に進んでいきたい、そういう気持ちも込めて、中期およびビジョンを作成いたしました。 本当に社員の全員の頑張りとパートナーの方たちの素晴らしいお仕事のおかげもあって、そして運もあって、この三年間、我々は着実に結果を残すことができたのではないかというふうに自負しております。 我々は当時、三年前に立てた戦略は間違っていなかったんだろうなと、そういう自信のようなものを得ることができました。従いまして、今後3年間も東宝ビジョン2032の成長ストーリーを踏襲してまいります。そして、今回の中計の3年間は、成長投資と変革を継続する期間と位置づけております。 長期ビジョン2032で掲げた3つの重点ポイント、ここにあります通り、投資の促進、人材の確保と育成、アニメを第4の柱に着実に実行できたのではないかと思っています。特にアニメ事業は第4の柱として成長をしております。こちらは決算説明資料にてお話ししたので割愛をさせていただきます。 この3年間、数字だけではなく、高い評価を国内外でいただけたということが、我々にとっては本当に大きな自信となり、誇りとなり、成果となりました。 収益の面でも非常に大きな影響を我々は得ることができましたが、我々の作品が世界のお客様に受け入れられるんだと、そういう自信を得ることができた、それも大変大きな成果だというふうに思っています。 改めて、ご一緒に仕事をしてくださったクリエイター、パートナーの方たち、そして社員全員に感謝をしたいというふうに思っています。こちらのスライドは、この中計期間に取り組む我々の思い、あるいは姿勢を示したスライドとなります。 我々東宝グループの社員が、様々なクリエイターの方たちとともに、素晴らしい作品、コンテンツを企画して生み出していく。東宝としてやっていくことは全く変わりません。しかし、この3年間は、これまで以上に世界のお客様に向けて届けていくということを常に意識して強調していきたいというふうに思っています。 それに加えて、お客様一人一人のことを知り、お客様とつながっていけること、これがさらなる成長において非常に重要だというふうに考えています。指針に挙げた人材、コンテンツ、IP、デジタル、海外、この4つのカテゴリーにおいて重要だと思われるポイントを挙げてみました。簡単に羅列させていただきます。 親会社の東宝株式会社では、前中期経営計画中に150名近くの採用をいたしましたが、次の3年間もそれを継続し、200名程度の採用を計画しております。コンテンツIPにつきましては、映画、アニメ、演劇を中心として、エンターテインメント作品をさらに成長させていくために投資を継続していくつもりです。 その中でも、ゴジラ関連に150億円を投下する予定としております。そして、企画開発や制作にかける700億円とは別に、M&Aやシネコン出店などの成長投資枠として1,200億円を設けました。 そういった成長投資を継続的に行っていき、2032年度には成長領域と位置付けたIPアニメ事業の営業利益を現在の2倍となるよう目指していきたいと思っています。デジタルに関しましては、TOHOシネマズのシネマイレージに代わる東宝グループ全社として取り組む新しい会員サービスが予定されております。 海外では拠点を拡充し、現在、グループ全体での海外売上高比率が約10%ですが、これを30%まで引き上げたい。2032年までに30%に引き上げたいというふうに考えております。次の中計において、営業利益を700億円以上達成したい、そういったことを目指しております。 我々が2032年に目指す750億円から1,000億円への営業利益の橋渡しの期間と位置付けたいと思っています。4つの大きな分野の中で、演劇分野は帝国劇場が建て替えになることもあり、営業利益は確実に下がることとなります。 不動産事業も建築費の高騰あるいは人件費の高騰、そういったこともございまして、ある意味逆風が吹いております。しかし、IPアニメ事業は海外も含めてまだまだ成長できる余地があると思っていますし、映画事業もコロナ禍でかなり苦しんだ洋画の復調の兆しも見えてきています。 このように不動産、演劇が厳しい中でも、映画、IP、アニメを着実に成功させて成長させて、¥700億円の営業利益を目指していく所存です。株主還元については、過去2年間続けている年間¥85円を下限に設定し、配当性向を35%以上といたしました。自己株式の取得も引き続き積極的に実施していく予定です。 ROEも今までの8%以上というのを一つ段階を上げて9%以上を達成していけるようにしたい。そして、ROEについては、東宝ビジョン2032では8から10%という目標ですが、これを引き上げて常に10%以上のROEが出せるような、そういう会社になるべく取り組んでいきたいというふうに思っています。 キャピタルアロケーションの表でございますが、コンテンツIPの制作に700億円を投下していくというのを先ほども申し上げましたが、そこから生まれてくる営業キャッシュフローに加えて、有利子負債などを活用しながら、M&A、シネコンの出店、帝劇ビルの再開発など、積極的な成長投資、そして確実な株主還元を実施していく所存でございます。 各事業の戦略については、詳細に説明すると時間が足りなくなりますので、ポイントを絞ってご説明させていただければと思います。まずは映画事業です。我々はパートナーの方たちから預けていただける作品に関しては非常に良い状況を保てていると思っています。 これを今後も継続して磨いていく一方で、自社企画作品、利益率の高い自分たちで作る作品の制作を促進していきたいというふうに考えています。加えまして、映画以外のコンテンツを映画館で配給できるシステムをさらに拡充することによって、映画部門での収益力を高めていきたいというふうに考えています。 また、海外のグループ会社と提携していくことによって、世界を見据えた日本の自社コンテンツ、これらの企画開発を展開していきたいというふうに考えています。IPアニメ事業に関しては、これからも継続的に世界で展開していくために、良質なコンテンツIPをこれまで以上に多く制作していく必要があると感じています。 そのためにも、人員増による体制の拡充、そして制作スタジオ機能の強化を心がけてまいります。海外の市場ですけれども、IPアニメだけではなく、グループ全体の成長にとって欠かせないのが海外市場かと思います。現在、ロサンゼルスとシンガポールに拠点がございますが、近いうちにヨーロッパにも拠点を設ける予定です。 先ほども申しましたが、東宝グループ全体の海外売上高比率、現在は約10%でございます。これを2032年には30%まで引き上げたいというふうに考えています。ゴジラですけれども、我々が100%保有している非常に貴重なIPです。 劇場用映画だけに関わらず、様々な映像作品、商品化、イベント、ストア、ゲームなどマルチユースな展開を行っていき、ゴジラのIPビジネスを全世界で加速させていきたいというふうに考えております。 演劇関連ですけれども、帝国劇場が休館している間の興行収入を底支えするためにも、外部劇場で上演させていただく主催公演であったり、それらを新会員サービス、多様なチケット価格や販売形態、販売形態を多角化していくことによって、しっかりと利益を確保できるように取り組んでいきたいというふうに思っております。 不動産事業についてです。ここについては少しこれまでの経緯その他を含めてご説明をさせていただければと思います。九十二年前に、我々の創始者の小林一三さんが映画業界に進出する際に、それまでの映画ビジネスとは違う形の戦略をとることとされました。 それまでは映画を作る、そして映画を配給する、興行は地元の有力者に任せるというのが主流でした。しかし、小林一三さんは、興行は非常に重要だということを当初から見抜き、全国百館主義というモットーを掲げて、日本の一等地の中心街、そこに映画館をたくさん建設するんだと。 この小林一三さんの計画が我々の不動産事業の起点となっております。これまで何度も我々は不動産事業のおかげで危機、危機を乗り越えられたというふうに考えています。例えば、戦後、映画業界は本当に大成功してメディアの中心となっていたわけですけれども、テレビが台頭することによって一気に斜陽産業となります。 当時、配給と制作に特化していた会社は厳しい現実を突きつけられましたが、東宝は興行という施設ビジネスがあったので、自分たちの作品を上映するだけでなく、例えば洋画作品を上映するなどによって収入利益を確保することができました。1970年代から80年代にかけては、古くなってきた映画館を再開発いたしました。 再開発する際には、都心の一等地という恵まれた立地を生かして、映画館のある商業施設、あるいは映画館のない商業施設、両方を考えながら再開発していくことによって、東宝は不動産ビジネスという我々にとって非常にありがたい利益の源泉を生むこととなりました。 それ以来、我々は営業利益の下支えとなる不動産収入と利益、そして不動産が生んでくれる潤沢な、そして確実なキャッシュフロー、これらを使って、ボラティリティーの高いエンターテインメント事業に積極的に、前向きに取り組んでくることができたというふうに考えています。 加えまして、不測の事態、例えば新型コロナで多くの企業が厳しい状況に陥っているとき、我々も演劇事業、そして映画興行事業、映画の配給事業で厳しい状況になりましたが、きちんと営業利益を出し、株主の皆様に配当をお出しすることができたのは、不動産ビジネスがあったからだというふうに我々は考えております。 そういったこともあり、我々にとって不動産ビジネスは非常に重要な要素ではありますが、最近、物件価格が高止まったり、不動産市況も大きく変化をしております。そういったことを踏まえて、前の中計で掲げた新規物件の取得開発を推進、この方針は見直しをいたします。 新規物件の取得は抑制していきつつ、不動産事業として資産効率の向上を目指していくこととなります。デジタル関連ですが、4月10日にTOHOシネマズからシネマイレージが終了するというリリースをいたしました。2026年春には、東宝グループとして新しい会員サービスをローンチする予定です。 新サービスの詳細は、今年の冬に発表を予定しておりますので、ご期待いただければと思います。続きまして、我々東宝グループにとって大変重要な、ある意味、今回の中計期間の最重要ポイントの一つとなる人への投資についてお話をさせていただければと思います。 我々にとって一番重要なことは、前社長、現会長の島谷がもう毎日のように言っていますが、我々にとって一番重要なのは企画です。しかし、その企画を作るのも、その企画をお客様に届けるのも、やはり人です。それもあり、我々は我々の人材は財産であり、価値の源泉だというふうに考えています。 その気持ちをビジョンで表すときに、心が動き、心を動かす仕事を通じて幸福を得られる会社へと掲げました。ちょうど5年ぐらい前になるかと思いますが、新型コロナ禍、我々は緊急事態宣言に従い、映画館、演劇の劇場を閉じることとなりました。そして、エンタメは不要不急とまで言われました。 本当に苦しく、悲しく、つらい宣言であったように思います。エンタメ業界にいる全員の方々、東宝グループの全員のメンバー、そして私も、この時期に様々なことを考えました。確かにエンターテインメントがなくても人は生きていけるかもしれない。だけれども、エンターテインメントがない人生に余裕はあるのだろうか。 人の人生を豊かにするのはエンターテインメントなのではないだろうか。エンターテインメントは人の心を動かすことができるのではないか。我々はそこにエンターテインメントビジネスに生きる東宝の意義があるのではないかというふうに思っています。 さらに付け加えれば、我々はお客様が感動しているのを見ると、我々も心が動きます。お客様に感動していただき、お客様の心が動くことで我々の心も動く。この素晴らしいサイクルを我々の存在意義の一つと捉えて、私たちにとって重要なこのポイントについてしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。 人材に関してですけども、まあ、精鋭多数、成長、自立、安心、これを新たなキーワードとして掲げて、東宝グループで働くすべての社員が余裕を持って朗らかに生き生きと働くことのできる組織を追求していきます。 具体的な施策の一つとして、例えば親会社の東宝株式会社では、人への投資、エンゲージメント向上を図っていきます。人材獲得、人材育成の強化、拡充はもちろんのことです。 そして、それらの基盤となる人事制度の大幅刷新をこの6月に実施することとしております。TOHOビジョン2032に合わせて、サステナビリティの基本方針を制定いたしました。ここで挙げた4つの重点課題は、今後も引き続き取り組んでいく所存です。 スライドの右下に記載している制作現場の環境向上については、映画のみならず、アニメ、演劇、そういった現場においても、これから一層踏み込んで取り組んでいきたいというふうに思っております。以上が中期経営計画2028の説明となります。 前回、ビジョンと中計を制定した時は、10年先の未来を見据えて我々はビジョンを制定しました。 あっという間に3年が経ち、創立100周年まであと7年です。その7年の間にやるべきことをしっかりとやり、世界中のファンから愛されるエンターテインメント企業になれるよう、次の3年間、2032年までの7年間、その後も努力をして成長し続けていきたいと思っておりますので、何卒よろしくお願いいたします。QAに移ります前に、今日いらっしゃっている皆様が高い関心を持っていらっしゃると推測いたします。 まあ、前期の実績と今期のガイダンスの差異について、私の方から簡単に説明をさせていただければと思います。この中計の期間中、営業利益は三期連続で成長をし、増益をいたしました。 そして、過去二期に至りましては、最高益を二期連続で更新するということで、ありがたいことに成果を出すことができたというふうに思っております。そういったことから、皆様方から高い期待を持っていただいていることには感謝をしておりますし、我々も肌身で感じております。 ただ、先ほど申し上げたとおり、570億円という期初の営業利益予想は過去最高のものでございます。前期は555億円というのをガイダンスといたしました。この555億円なんですが、その前の期まで、いわゆる前々期までのガイダンスの方針を変更して、新たな形で数字を出しました。 それについてちょっと簡単に説明をさせていただきます。前々期までは当東宝は、まあ社内グループ内で積み上がってきた数字に対して、経営陣が手応えですとか、感触ですとか、予測ですとか、そういったものを加えながら数字を出してまいりました。 自分たちとしてはしっかりとした数字を出していたというふうに考えておりますが、過去十年を振り返っても、コロナの時を除けば、常に我々は期首予想を上回る実績を出してまいりました。それもあり、皆様からは東宝は少し保守的すぎるんじゃないかと、もう少し上を目指してもいいんじゃないかと。 そういった皆様からのご指摘、アドバイスを勘案して、前期は今まで使っていた数字に対して、過去の数字から導き出した一定の割合をかけることによってストレッチした予算を出しました。それが550億円。前期の期首の概算でした。 一年前を振り返ると、結構高いところに目標を設定してしまったなというふうに思ったわけですが、結果として一年経つと¥100億弱利益が積み上がっている。やっぱり東宝は保守的だなと思われる方もいらっしゃるかと思います。 次に、私の方としては、私としましては、じゃあなんでこれだけ利益が積み上がったんだということを説明させていただければと思います。もちろん、映画興行が過去最高の映画営業部の興行収入が過去最高の¥900億円を超える。これはもう今まで考えられないレベルの数字になっています。 演劇でもクロージングの特需というわけではございませんけれども、最終的には素晴らしい数字、最高益となりました。しかし、大きく二つの要因があったと考えております。その要因はいずれも海外を中心とした配信権の収入です。一つ目はIPアニメビジネス。 今まで東宝は東宝アニメーション作品を海外の配信事業者に販売をしておりました。非常に大きな収入を得ていて、私たちの利益の底上げ、利益の積み増しに貢献をしていました。しかし、ここ最近になりまして、追加印税を受け取るケースが稀にですが出てくるようになりました。 契約をするときには、だいたいこれぐらいの人数が見るだろうから、これぐらいの金額をというふうな形で契約をします。昨今、アニメファンが急速に増え、契約時に設定した人数よりも多くのファンの方たちが鑑賞してくださる。結果として、人気のある作品からは追加印税という形で利益が発生します。 我々はそれまでそういったケースを経験したことがなかったので、いつ、どのような形でどれぐらいの金額が発生するかということを予算化することが極めて難しく、前期はそれを見込めていませんでした。 結果として、海外の配信業者からのIPアニメ部門における追加印税が550から646に上がっていく大きな要因の一つだというふうに考えております。もう一つはゴジラマイナスワンです。ゴジラマイナスワンに限らず、我々が映画作品を展開していく場合には、まずは劇場で公開をいたします。 劇場で公開するということは、世の中の皆さんに認知していただき、つまり二次利用以降の価値を作り上げる。 だからこそ、我々は映画館で上映することにこだわり続けています。映画館で上映した後に、二次利用ということで、ブルーレイであったり、衛星放送であったり、地上波であったり、配信であったり、様々な権利を展開していくことで利益の最大化を図っていきます。 これはゴジラマイナスワンに限らず、国内で全ての映画で我々が取っている手法です。海外におきましては、今まではその地域の業者に全ての権利を販売するというビジネス手法をとっておりました。ただ、ゴジラマイナスワンは、東宝が初めて北米で自社配給に取り組んだ作品です。 つまり、中間業者がいないので、我々が得る収入がそのまま利益になる。なおかつ、ゴジラは我々100%のIP。そういったこともありまして、前前期に北米で大ヒットしたゴジラの配給部分からの利益は大きな金額が計上されています。 先ほど、地域の業者に販売するのは全権利というふうに申しましたが、我々が配給の権利を自分たちで扱ったことにより、二次利用の権利も東宝が北米で自主的に扱うこととなりました。 北米の大ヒット、そしてアカデミー賞受賞、そういったことも相まして、ちょうど昨年の今頃、数多くの配信業者の方たちから素晴らしい提案をいただき、様々な議論をした後に、最終的には日本以外の全ての地域での配信権の契約をNetflixと結びました。 数字についての詳細はお相手もいらっしゃるので、ここではなかなか伝えにくいんですけれども、我々が今まで見たことのないように、びっくりするような数字が我々に持たされる、もたらされることとなりました。 つまり、昨年の550億の期首のガイダンスから646に上がったのは理由はいくつかありますが、大きく二つが寄与しているというふうにご理解いただければというふうに思っております。そして、我々の力不足ではありますが、この二つは期首の時点で読み込むことはできておりませんでした。 続いて、六百四十六億計上できた会社がガイダンスは五百七十はなぜなんだという当然の皆様からのご質問について、私なりにお答えさせていただければと思います。もちろん細かい要素、理由はございますけれども、大きく二つございます。まずは帝国劇場がクローージングしてしまったということ。 帝国劇場は千八百席弱の客席数を誇る日本有数の演劇劇場です。帝国劇場が今休館している状況ですので、我々は様々な方々のご厚意により、劇場をお借りして東宝作品を上演しております。しかし、千八百席クラスの席数を誇る劇場はなかなかございません。 加えて、我々が希望する上映期間を使わせていただけるという保証もございません。同じ作品であっても、帝国劇場と比べて客席数が少なく、上演回数が減っていく。こういう状況にあって、演劇事業は大きな減益となります。 数字でいうと、一年間に約二十億円低益がないことで、我々の演劇事業は下がっていく、そういう状況にございます。まず、これが一つの理由です。原因です。もう一つは、先ほど申し上げましたゴジラマイナスワンの配信ビジネス。一度やったんだから、他の作品でも同じようにやってみればいいじゃないかと。 これはなかなか難しいですね。やはりゴジラという特別なIPがあって、大ヒットして、いろんな要素が絡み合って、我々はそれにたどり着くことができた。 もちろん、ゴジラマイナスワンの続編が出てくる時には、違った角度から検討をして利益の最大化に努めますが、正直申し上げまして、現時点ではゴジラマイナスワンの配信モデルは再現性の低い特殊なケースだというふうに考えています。 それもあり、予算を作成するときに、ゴジラマイナスワンの配信部分の利益を差し引くこととしました。これが規模にして、相当ざっくり言ってますけど、約50億円です。20億円の演劇部分の低下、50億円のゴジラマイナスワンの特別なケースがない。 それに加えて、今まで以上に様々な成長、設備、そういったことに対する投資を加速化していきます。そう考えると、この570億円というのは我々の肌感覚ではございますが、前期と比較してそれほど悪いものではないんじゃないかと。 特別な例があるから、特別なケースがあるから五百七十億にとどまっているんだ、そういうふうに私たちは考えています。もちろん、これに甘んじるわけではなく、これをさらにこれにたどり着き、さらに上回っていくためにも、私たちのすべての事業を磨き上げて、利益を高めていくことを心がけていきたいと思います。 そして、この三年間の中計の期間中は、先ほども申しました通り、演劇であったり、不動産であったり、我々の主要分野には逆風が吹きます。 しかし、それにも負けず、映画、アニメ、IP、海外、デジタル、そういったところの分野で成長を図して、利益を積み上げて、次の三年間で700億円の営業利益を上げられるように、全社一丸となって取り組んでいきたいというふうに思っています。 以上、ちょっと長くなりましたけれども、今回出しましたガイダンスと前期の差異について、私なりの考えを述べさせていただきました。